クライスレリアーナに込めたシューマンの想い
2024/08/29
シューマンは文学と音楽を融合させる才能を持ち、彼の楽曲の中には詩的な美しさが宿っています。本稿では、「クライスレリアーナ」に込められたシューマンの想いと愛の物語をお届けします。
目次
シューマンとクララの運命的な出会いとは?
ロベルト・シューマンとクララ・ヴィークが出会ったのは、1830年のことでした。当時、クララは17歳であり、シューマンは23歳の若き作曲家でした。彼女は父の指導の下、音楽家として頭角を現していましたが、シューマンとの出会いは彼女の運命を大きく変えることになります。シューマンはクララに深い恋心を抱きましたが、その気持ちはクララの父ヴィークには認められず、彼の複雑な気持ちは音楽に色濃く反映されます。「クライスレリアーナ」は彼の内面的な闘いと喜びが込められた二人の愛を象徴する作品となっています。
永遠の愛を感じるシューマンとクララの音楽
『クライスレリアーナ』は1838年作曲のシューマンの作品で、8つの曲から成り立ち、それぞれが異なる感情を表現しています。ショパンに献呈されたとされているこの作品は、作家・画家・音楽家であったホフマンの音楽評論集にインスピレーションを得て作曲され、その登場人物に自身と恋人クララを重ね、その深い愛情を見事に具現化させ、メロディーやハーモニーが彼の揺れ動く心を描き出し、シューマン独自の音楽言語と詩的な感性によって音楽に込められました。
~クライスレリアーナ~
Ⅰ.極度に感動して
Ⅱ.たいへん心を込めて
Ⅲ.大いに興奮して
Ⅳ.非常にゆっくりと
Ⅴ.たいへん生き生きと
Ⅵ.非常にゆっくりと
Ⅶ.たいへん性急に
Ⅷ.速くそして遊びながら