シューマンが描いた子供たちの日常風景 〜ピアノ曲「子供の情景」から浮かび上がる感動〜
2024/05/17
ロベルト・シューマンのピアノ曲集『子供の情景』は、少年が走り回り、少女がお人形を抱えて遊ぶ姿など、音楽を聴くことで、目に浮かぶような子供の様子が描かれているように思えますが、実は大人目線で作られています。シューマンは教養豊かな人であり、文学や音楽以外のものからアイディアを得ていたようです。
目次
シューマンの「子供の情景」は、子供の日常を描いたピアノ曲
『子供の情景』は、ピアノ曲の中でも人気が高い作品の一つで、13曲からなる小品が収録されています。子供のための作品ではなく、子供心を描いた大人ののための作品とのことですが、シューマンは同じモティーフで小さな曲をたくさん作り、その中から選んでいったようです。とはいえ、フランツ・リストをも感動させたというその優しい音楽を、ぜひ一度聴いてみてください。
「子供の情景」を演奏する際に大切なポイントとは？
この曲集を演奏する際のポイントとなるものは、技術力ではなく表現力だと思います。指を軽やかに動かすことやリズム感を大切にしながら演奏することは大切ですが、柔らかい音から徐々に大きな音になっていく部分など、音量だけでなく音色にも注意して曲の雰囲気を変化させるようにするためには、曲の構成や音型を知り、音質を選択しながら仕上げていくことで、より味わい深いものになるでしょう。